石波義人の俳優日誌

カテゴリ:ゴンザーゴ殺し( 30 )

公演日誌 Ⅱ(1月22日から千秋楽26日まで) 

22,23日は切符が一枚もないほどの大入りで、ひそかに補助席を並べたほどでした。
お客様もよく笑ってくれ喜んでいるように見えましたが、私は原因がわからぬまま自分の演技に不満を覚えておりました。

すると、それに呼応するかのように次のような感想が聞こえてきました。
 1.古くからの私の友人藤田氏ー彼は初演時よりこの作品を大変気に入りお客さんを連れ て2回見てくれ、その上今回の再演時には年内の切符完売を目指してボランティアでチラシをいろいろなところに持ち込んでくれた功労者ですが、彼いわく
   客に向かって説明的に演技をしていないか、
   舞台中央の台を使いすぎていないか(これは初演のときと同じ動きなのだが)、
   よくなった部分もあるが2幕になってからのインパクトがなくなった。

 2.ポスト・ショウ・トークの折、初演時よりわかりやすく面白くなったという人が多かったが、一人だけやはり2幕のインパクトが薄れたと感想を述べられた方がいました。
   
 3.『樫の木は歌う』というミュージカルをやったときにお世話になった俳優座劇場の舞台監督荒木さんが、演出の菊池に「俳優が芝居の次の展開をわかりすぎているんじゃないか」と鋭いコメントしてくれたらしい。


以上の感想に耳を傾け、初演に比べて自分の演技に何が欠けているかを検証してみたところ、二つ気づいたことがあり、それを心にとどめて24日のまたもや満杯のお客の前で試してみた。
笑いは少し少なくなったかもしれないが、浮ついた感じが無くなり、インパクトのほうも取り戻しつつあると感じた。でもまだ納得はできない。


ちょうどこの24日にたまたまかつて劇団に在籍していた片岡弘貴が私の誘いに応じて見に来ており、終演後坂本岳大と一緒に感想を聞いた。
彼の話は面白くまたとても示唆に富んでいたので、小1時間のつもりがつい終電近くまで飲んでしまった。

しかしこのときの片岡のサジェッションが功を奏して、次の日のマチネーは坂本も私も自分の役が膨らみ演ずることがさらに楽しくなり、私の感触では芝居全体の出来を15%ぐらいは押し上げたのではないかと思っている。

そしてその日2回目の夜の公演、翌日の千秋楽とも納得の行く出来になり、カーテンコールも拍手が長く続き、念願のダブル・カーテンコールを両日体験した。
前述の藤田氏は千秋楽をまた見に来て「あれでいいんだ」といってくれた。
藤田氏と二人で楽しく気持ちのよい打ち上げをした。

が、この席で藤田氏が言った一言が、旅に行ってからさらに良い結果をもたらすことになる。


  
[PR]
by scrooge9902 | 2005-02-07 23:08 | ゴンザーゴ殺し

公演日誌 Ⅰ(1月22日のこと)

1月28,29日に大阪で、30,31日,2月1日に京都で公演を打ち、翌2日は大阪で朝から夕方まで一般の人を対象に『演劇ワークショップ』を催し、そうしてその日東京に戻ったのが深夜だったので、タフな私もさすがに疲れが出たようだ。3,4,5日とよく眠り、西本さんからプレゼントされた佐藤愛子の『血脈』など読みながらごろごろしていた。

そうして久々にこのブログを見ると公演2日目から何も書かれていないのに気づいた。

で、ブルガリア公演に向けての稽古が始まるまで2週間ほど暇なので、思い出すまま公演中の出来事を書いておこうと思う。


まずは初日を見てくれた私の友人の感想から

 先日は「ゴンザーゴ殺し」を観る機会をあたえていただきありがとうございました。

  (中略)

今まで観させていただいたどの演劇も「観にきてよかった」と思っておりました。今回も前にもまして同じ思いでした.。熟達した演技とストーリーの流れ,舞台装置圧巻でした。
石波さんも 自由に,全存在演じておられ,あの役が石波さん自身かと錯覚がおきそうなほどでした.。
充分楽しませていただきました。

「昴」のテーマにはいつも普遍的なものがあり,私には興味深いですし,こころ惹かれます。
どなたが選ばれているのでしょうか。
どのようにして演目は決められるのでしょうか。

今回もおもしろかったのは劇中の人間関係はまさに現在も至るところで起こっていること   だからです。人間の「光と影」を直視していること、それでも真実を守ろうとしているチャー   ルズの崇高さ,力強さにも惹かれました.。゛

夫から「今までで一番インパクトがありました。」とお伝えくださいとのことです。

これからもますますご活躍くださいませ。
いつかお目に掛かれるのを楽しみにしております。

               宮本佐代子 


宮本さんはカウンセラーで、かつて私の演劇ワークショップに参加され、それ以降10年以上も私の出演する芝居を見に来てくださっている方ですが、うれしかったのは「あの役が石波さん自身かと錯覚がおきそうなほどでした」と演技を褒めてくれた以上に、「劇中の人間関係はまさに現在も至るところで起こっていることだから、人間の光と影を直視している」からこの芝居が面白いといってくれたことです。

我々昴の俳優がほとんどボランティアといってもいいような条件で舞台を続けているのも、演劇は宮本さんが書いてくれたような文学性をエンターテイメントとして提供できる数少ない芸術だと思っているからではありますまいか。
[PR]
by scrooge9902 | 2005-02-06 01:39 | ゴンザーゴ殺し

2日目(1月22日)

開幕二日目の様子を写真でお伝えします。

一枚目は舞台でウォーミングアップをする私。
c0024024_014378.jpg


やはりウォームアップ中のプロンプター役坂本岳大。
c0024024_14244226.jpg




ひげの手入れに余念がないヘンリー役石田博英と、恐ろしくておかしい刑吏役金子由之
c0024024_14252495.jpg




開演40分前にもせりふを点検なさっているポローニアス役内田稔先輩
c0024024_14325241.jpg




これは番外ですが、稽古たけなわの1月7日に愛猫ミーコとのツーショット
c0024024_0171673.jpg

[PR]
by scrooge9902 | 2005-01-23 00:30 | ゴンザーゴ殺し

初日(1月21日)

いよいよ初日。

しかしまだ納得の行かぬところあり。朝10時になるのを待って演出の菊池に電話する。小1時間話してようやく納得。

血糊の色が赤すぎるというので、新宿の盛成堂まで取替えに行き、ついでに汚し粉なるものを薦められるままに購入。肉体派の私には必要なものだろう。

2時から昨日のダメだし、3時過ぎから2幕だけ通し稽古。
話し合いの成果が現れ、初めて幕切れまで気持ちが流れた。初日の開演2時間前だが、とにかくどうやら間に合った。


そして開幕。
私の予想がはずれ1幕の中盤まで笑いがなかったので少々心配したが、後半の黙劇を稽古しているシーンから笑いが起き始めた。まあ、よしとしよう。

この後、2幕の「ゴンザーゴ殺し」の上演から、刑吏の拷問のシーン、最後のどんでん返しまで順調に進んだ。

そして、拍手だ。
我々がカーテンコールを終えて楽屋近くまで戻ってもまだ拍手が続いていたので、舞台監督からすぐ舞台に戻って2度目のカーテンコールをするよう指示が出たが、残念ながら舞台袖に皆が集まった頃には拍手が収まってしまった。
何度もカーテンコールをすることに慣れていない新劇俳優の悲しいサガと言うべきか?


今日は、2日目。
「ニオチ」といわれぬよう、謙虚に舞台を勤めよう。
[PR]
by scrooge9902 | 2005-01-22 11:28 | ゴンザーゴ殺し

稽古日誌(1月17日)

謙虚に丁寧にやったのがよかったのか、それともいつもと違って11時間も睡眠をとったからなのか(いつもは断続的に3,4時間ないし5,6時間なのです)、集中力が途切れずきわめて快調な稽古をすることができた。

出演者にも演出の菊池にもある充足感が感じられる。
本番もこの調子で行ってほしいと切に願う。

今日18日は舞台の仕込みで稽古はお休みだが、明日からいよいよテク・リハ、舞台稽古、初日とハードな数日が訪れる。

メイク道具を点検して、舞台で使う血糊でも買いに行こうかな。
[PR]
by scrooge9902 | 2005-01-18 11:11 | ゴンザーゴ殺し

稽古日誌(1月16日)

簡単にクリアーはできなかった。

初日の次の日の舞台というのは、自分たちの芝居がお客さんに受け入れられるかどうかという初日の緊張から解放されて自分の演技をなぞり、まったく緊張感のない出来になることが間々あるもので、それを芝居用語で「二落ち(ニオチ)」といいますが、この日の稽古はニオチのような出来だったと演出の菊池から評された。

確かにやってやろうと気持ちが逸るあまり演技に力が入って、今まで笑えたところも笑えなくなってしまうのだ。演技とはそれほど微妙なものだ。

今日の最後の稽古は謙虚に丁寧にやろう。
[PR]
by scrooge9902 | 2005-01-17 12:14 | ゴンザーゴ殺し

稽古日誌(1月15日)

昨日15日に昴の新進演出家河田園子が稽古見学に訪れた。

初演に比べ、ずっとわかりやすくおもしろくなっているし、これなら『ハムレット』を知らないお客さんにも伝わるだろうとのこと。
ただし、国王が観劇に来ることがわかってからはもう1段階あがってほしいこと、黙劇の稽古をしているシーンでははじめはもっとテンションが低いところから入ったほうがよいのではないかとのこと。

納得できる感想だ。
今日の稽古でクリアーできるだろう。
[PR]
by scrooge9902 | 2005-01-16 11:56 | ゴンザーゴ殺し

稽古日誌(1月12日)

昨日11日に、囲碁、野球、マージャンでも付き合いがある伊藤和晃君が稽古場に顔を見せた。

通し稽古を見てもらって、その後私がだめだしを受け抜き稽古をやっている間、行きつけの焼き鳥屋で待ってもらって、稽古の感想を聞く。
初演時よりだいぶ面白くなっていると聞いて一安心だが、更によくするためのサジェッションをもらってありがたかった。
1時間半ぐらいだったが、終電近くまで楽しく飲んで話を聞いた。

帰宅1時。
翌日のアテレコのリハーサルをして3時ごろ就寝。


今日12日は朝からドキュメンタリー番組の吹き替えを収録して、その後劇団近くの喫茶店で出し忘れていた案内状5通作成。そして台本の研究。

16時からの稽古を簗瀬君見学。
私は非常に疲れていたのに1幕は快調、稽古場に今までで一番笑いが起こった。
ただし、2幕はやはり疲れが出たのか、演出の菊池には息切れしているように見えたらしい。
1幕のよい流れをうまく2幕の急展開につなげなくては・・・。
[PR]
by scrooge9902 | 2005-01-13 14:06 | ゴンザーゴ殺し

稽古日誌(新年会)

2005.1.6

今日は3時から劇団の新年会。

普通の会社員とは違い、俳優の場合は舞台で競演したり、撮影やスタジオで一緒にならない限り1年の間まったく顔を合わせない人もいるのだが、そんな懐かしい人に会えるのもこの新年会でということが多い。

ここに写っている田中君宮本君は遊びでも仕事でもよく顔を合わせる二人だが、麻雀大会の優勝者とどん尻者ということで仲良く納まってもらった。石波賞を取ったのはどん尻の宮本君だが、とても嬉しそうにしてくれたのが印象的だった。

(ここに二人の写真を掲載しようと思いましたが、まだお二人に許可を得ていないのでしばらく見合わせます。)

早々に新年会を切り上げ、4時からの稽古に備える。
新年会でお酒をちょっと飲んでしまったが、ほろ酔いで稽古をするのも1年に一日ぐらいは許してね。

今日は幕開きの、一座が登場するシーンと黙劇を練習するシーン、ベンボーリオとチャールズの漫才のようなシーン、そしてそれに続くチャールズとエリザベスとの漫才のようなシーンを稽古した。テンポさえ出てくればそれぞれかなり面白い場面になりそうだ。尤もどんな芝居にも言えることだが。
c0024024_23344658.jpg

写真は数々の名舞台(!?)を生んだ昴の第一稽古場です。『ゴンザーゴ殺し』の稽古用のセットが組まれています。

石波義人
[PR]
by scrooge9902 | 2005-01-07 01:42 | ゴンザーゴ殺し

あれえ?!(続き)

2005.1.5

<えへへ、転載できました。こんな技も最近覚えたものです。>

昨日昴麻雀大会の様子を記事にしたのに、私の不手際から読者のコメントのほうに掲載してしまいました。いかに初心者であるかわかるでしょ?

今日は間違えずに掲載します。
といってもあまりニュースはありませんが、今日は初めての通し稽古でした。

音楽担当上田氏、歌唱指導柏熊先生、振り付け担当川原さんたちスタッフの前でいきなり初めての通しで、役者たちは少し緊張気味でしたが、新しい参加者西本先輩を筆頭にみな攻撃的な姿勢で役に取り組んでいるせいでしょうか、なかなか面白い出来だったように思います。

柏熊先生などは初演のときに比べて、まったく別の芝居を見ているように思えるほど面白くなっているといってくれました。とても勇気付けられるお言葉でした。

それを励みにさらに練りこみ、何とか東京、大阪、京都のお客さんだけでなく作者のヨルダノフさんにも喜んでもらいたいと思っています。

石波義人
[PR]
by scrooge9902 | 2005-01-06 00:45 | ゴンザーゴ殺し



俳優イシナミヨシトの近況がわかります
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
カテゴリ
以前の記事
お気に入りブログ
リンク
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧