石波義人の俳優日誌

2月23日 『怒りの葡萄』

衛星放送のアカデミー映画特集で、『怒りの葡萄』をやってました。
ヘンリー・フォンダが主演してアカデミー賞をとった、例の映画です。

前にも見てるし、見るつもりはなかったのですが、ちょっとチャンネルを回したら引き込まれて最後まで見てしまいました。私も2000年、昴在籍中に三百人劇場で『怒りの葡萄』に出演しているので、われわれが演じた場面を次から次へと思い出し、感慨を新たにしたのです。

映画はもちろん面白くできていますが、われわれが作った舞台の方もなかなかのものだったと改めて思いました。


昴の舞台は、ジョン・スタインベックの原作をフランク・ギャラーティが脚色し、昴の客員演出家ジョン・ディロンが演出したもので、私は一家を率いてカリフォルニアへ向かう、父の役を演じました。

ディロンさんの演出は、いつもそうですが、創造性に溢れていて、演じていてとても充実感があります。
しかし、楽しい稽古の進行と裏腹に、この時は悲しい出来事がありました。
私が大好きだった昴の舞台美術家濱名樹義が亡くなったのです。

彼は死の床にありながらも、すばらしい舞台装置を考案してくれていました。木と布と水といった、いわば環境に優しい素材で装置を作り、一家が旅するトラックまで木製のものを用意してくれていました。

私は亡くなった彼のために、せめて美術家に贈られる栄誉ある賞の伊藤喜朔賞を獲らせてあげたいと思う一心でこの稽古に励みました。ほかの出演者も同じ気持ちだったと思います。


結果は・・・
伊藤喜朔賞は逃しましたが、その代わり、この年の文化庁芸術祭演劇部門の大賞を受賞しました。

私にとって忘れられぬ作品なのです。

(濱名樹義デザインのトラックの写真は掲載された本が見つからないので当分見合わせます。)
写真は水浴びする三男アルと父の私。
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どうやらカリフォルニアは思ったような夢の土地ではないようです。
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by scrooge9902 | 2009-02-25 01:02
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