『石波義人の俳優日誌』をご愛読くださった皆様、今日、この記事を持ってこの日記はひとまず更新を取りやめることになりました。
と申しますのは、以前にもお知らせしたように、私は劇団四季に在籍する運びとなりましたので、四季でのルールに従い「ブログ」を閉じることにしたものです。 (ただし、劇団昴在籍中のプロフィールに関してはまだ未完成になっていますので、在宅時に時間があれば完成に近付けたいと思っています。) 今後、私の出演情報はどうぞ劇団四季のサイトにてお確かめの上、ぜひ劇場まで足をお運びください。どこかの舞台で皆様のお越しをお待ちしております。 永いことこの拙い日記にお付き合いくださいまして本当にありがとうございました。 そして励ましやお叱りもありがとうございました。 また会う日まで、どうぞ皆様お元気で! ![]() 10月に入り、前橋、伊勢崎、高崎と旅を続けて参りましたが、昨日今日は最後の公演地新潟です。 どちらの演劇鑑賞会の皆さんも我々の音楽劇をとても喜んでくれましたが、これほど評判がよいというのも、まずエイクボーンの戯曲の面白さが第一の理由だと思います。 次に、各界から選ばれて集ったキャストの面々の歌唱力と演技力そしてチームワークの良さによるところも大きいように思います。 それに加えて優秀なスタッフもこれをよく支えてくれましたから、東京公演だけでなく旅公演も本当に楽しく過ごすことができました。 共演者とスタッフの皆さんに感謝です。 折しも今日は台風18号が新潟を通過したために会員のお客様も来場を見合わせた方が多かったように思いましたが、それでもこの悪天候の中おいでくださった方たちはこの音楽劇をとても楽しんでくれたようです。終幕近くおとぎの国から戻って来たアマンダと、シンクレアそしてわれわれ夫婦の四重唱のシーンでは客席から拍手をいただいたほどです。 台風のなか、少ないお客様の前でもいつもと同じように一生懸命演じる役者たちに対するねぎらいの拍手だったのかもしれません。 ともかくこうして無事千穐楽を迎えることがきました。御観劇いただいた皆様に心より感謝申し上げます。 写真はもう演じることはないかもしれない私の役、グレイソン。 ![]() とても喜んでくれた徳島市民劇場の皆さんと別れ、最後の公演地鳴門にやってきました。 1両だけの電車に40分ほど揺られて鳴門駅に着くと、鳴門市民劇場の皆さんが写真のような大きな旗を拡げて出迎えてくれました。 我々のお芝居を待ち望んでいてくれた会員さんたちの熱い思いが感じられます。 公演はいつもと同じように進められましたが、1600席の大きな会館でしかも残響がきついところだったせいなのか、いつもより客席からの反応が薄く感じられ、お客様が楽しんでくれたのかどうか、出演者一同少し心配しておりました。 しかし、終演後食事をしていたキャストチームに制作の宮澤君が伝えてくれた情報によると、ここの会員さんたちは見終わった後、「良くない」「ふつう」「良かった」「とても良かった」と書き分けられた四つの篭に小さなボールを投げ入れて帰られるそうですが、その中の「良かった」の篭と「とても良かった」の篭がボールで溢れ返っていたそうです。 どうやら出演者の心配は杞憂だったようです。きっと鳴門の方たちは奥ゆかしい方が多いのでしょうね。 ![]() ![]() ![]() 徳島への移動日を有意義に過ごそうと、音楽監督の後藤さんとクリッシー役の執行さんと共に直島までフェリーで渡りました。 しかし、この日はシルバーウィークの真只中、滅茶苦茶混雑しておりました。 昼前に着いたというのに、「地中美術館」に入るための入場整理券は5時からのものしかもらえませんでした。 我々はここをあきらめ「ベネッセミュージアム」を後藤さんの解説を聞きながら見て回りました。 その後移動して「家プロジェクト」を見てきました。 どこを見るにも待ち時間があり、効率的に見て歩く訳にいきませんでしたが、それでも小さな島内を歩くのは気分が爽快でありました。 写真はベネッセミュージアムから眺めた他の島々。 家プロジェクトのひとつ「はいしゃ」。 フェリー乗り場宮浦港にあるオブジェ。 ![]() 高松にやってきました。 楽屋入りまで時間があるので本を携えてコインランドリーに行きました。 本はジーン・ベネディティという人の書いた『スタニスラフスキー入門』。 この年になって演技法について書かれた本など読む必要はないかもしれませんが、この本の訳者松本永実子は、私が初主役を演じた『クリスマス・キャロル』の演出家であり、『サマーハウス』の初演時のパンフレットに「あきらめない人」なる私の紹介文を書いてくれた人でもあります。 先月、その彼女が演出したお芝居を観に行った時に受付で販売していたので買ったものです。 内容は、スタニスラフスキーという一俳優がどのようにして「システム」なる演技法を確立していったか、その軌跡を描いたものですが、その苦闘の歴史は、演技法を求めて苦労して来た私自身の歴史にオーバーラップするところが多々あって、大変興味深くとても面白く読んでいます。 思えば、わたしもかつて見学したことのあるサンフォード・マイズナーが作った演劇学校「ネイバーフッド・プレイハウス」も、リー・ストラスバーグが作った「アクターズ・スタジオ」も、その他アメリカの演劇学校はほとんどがこのスタニスラフスキーの「システム」を敷衍したり、独自の方法で具体化したりして俳優を教育しているようなので、アメリカでの俳優教育はスタニスラフスキーから始まっていると言ってもよいのでしょう。 それはアメリカだけでなく日本でも、おそらくイギリスやフランスでも多くの俳優は彼の影響を受けているでしょう。 彼はそれだけ大きな影響を演劇界に与えた存在だったわけです。 俳優にとっては、特に演技法に興味を持つ俳優にとってはなかなかためになる本だといえるでしょう。 写真は大ホールの6階のレストランから眺めた瀬戸内海です。 ![]() 松山には二年前の『糸瓜咲いて』、三年前の『怒りの葡萄』、六年前の『屋根の上のバイオリン弾き』と何度も来ています。 で、昼公演が終わった後はいつものように道後温泉へ行きました。 気持ち良かった〜! やはり、旅の楽しみはこの温泉と美味しい食べ物ですな。 あ、もちろんお客様はとても『サマーハウス』を喜んでくれていましたよ。 写真は道後温泉街の入口にある「坊ちゃんカラクリ時計」、そして道後温泉神の湯の入口。 ![]() ![]() 今日は休演、須崎から今治への移動日です。 メンズクラブ三人と美女三人で近場の温泉楗「竹庭 清正の湯」に行ってきました。 風呂は竹林の中に打たせ湯、杉の湯、サウナ、それに静眠庵(せいみんあん)という休憩所など幾つかあって、林立する竹の中に作られた風呂というロケーションもあり、とても気持ちのよい温泉でした。 その後、今宵の宿「ホテル白石」に戻りましたが、ここは今時珍しい夕食付きのホテルで、カンパチの刺身や鯛のかぶと煮などを大変美味しくいただきました。 長時間の移動を癒してくれるかのような大満足の夕べでありました。 写真は竹庭の入り口と竹林の中のお風呂。 ![]() ![]() 10日は旅初日でした。 お客様の反応というものはその土地柄で微妙に違うものですから、高知ではお客様の反応はどんなだろうと、楽しみが半分不安が半分の状態で公演に臨みましたが、私が登場してからの第一声で大きな笑い声が起こり私はホッとしました。 そして東京公演と同じように公演もすべてスムーズに展開して行き、終幕近くでは東京公演と同じように、やはり泣いていらっしゃる方が何人もおられたようです。 面白かったのは、新婚旅行から戻ったアマンダが一暴れして退場したあとの場面で、クリッシーが「私の若い頃でもああは行かなかったわ」と言うと爆笑になったことです。 執行さんの演技に若い頃の凄まじさを彷彿とさせるものがあってそれがおかしかったのか、それとも高知の女性たちはみんな強くて(失礼!)クリッシーのセリフに自分の若かりし頃のことを重ね合わせて笑ったのか判然としませんが、同じ箇所でいつも大きな笑いがありました。 ともあれ、とても良い旅初日ではありました。 写真は入江になってる須崎の港。 そして海を見に来たほのか嬢と。 ![]() ![]() 東京は曇り空でしたが、高知は快晴、気温30度の暑さでした。 で、今日は俳優部は何もすることがないので、メンズクラブ三人(畠中、大原、石波)と米谷さん、アマンダしのぶ嬢と音楽部の後藤・岡部両名、そしてアンダースタディの保(たもつ)ちゃんと一緒に桂浜に行ってきました。 わたしは桂浜に来たのは40年前のバイク旅行以来で本当に久し振りでしたが、太平洋の向こうに思いを馳せた坂本龍馬の気持ちが分かるような雄大な眺めでありました。 写真は桂浜から見る太平洋、そしてしのぶ嬢。 ![]() いよいよ今日から四国ツアーが始まります。 私の場合は自宅から新百合ヶ丘までタクシーで、新百合ヶ丘からは羽田までリムジンバスで70分、大きな荷物を持って何度も電車とモノレールを乗り継がなくて済むようになりました。 さて、四国の演劇鑑賞会の皆様、三年前の『怒りの葡萄』の時には私の役は「食い詰めたオクラホマの農民」でしたが、今回は「イギリスの多国籍企業の社長」の役でお目にかかります。 このようにステイタスの全く違う役柄を演じることができるのは役者の醍醐味でもあります。 内容も楽しくファンタジックなお話で、『怒りの葡萄』とは正反対です。 どうぞ例会でご覧になるのを楽しみにお待ちくださいな。
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